全固体電池に使用される材料

     全固体電池には、従来のリチウムイオン電池で爆発の可能性がある有機電解質が固体電解質に置き換わるため、非常に大きな利点があり、高エネルギー密度と高い安全性のジレンマが解決され、電気電池の「電池の不安」が解消されます。自動車ユーザー向けであり、急速充電の実現も期待されています。

     これまでのところ、科学者の継続的な努力により、全固体電池技術には克服できない技術的なボトルネックはないと言えますが、解決すべき技術的問題はまだあります。 「全固体電池のコア技術は、高いイオン伝導性を実現する固体電解質材料技術と、低インピーダンスの固体－固体界面を実現する高度な製造技術です。」固体電解質材料に関しては、日本の東京工業大学の菅野裕司教授が2011年に室温で10-2S/cmのイオン伝導度（従来の有機電解質を超える）を有する硫化物固体電解質を発明しました。

     この技術は、全固体電池の工業化のリーディングカンパニーであるトヨタ自動車の技術基盤となっています。酸化物固体電解質は硫化物固体電解質に比べ、安全性が高く、製造が容易であるという利点がありますが、室温でのイオン伝導度の向上は依然として100年に渡る課題です。